明治以降の絵画と彫刻、工芸から、重要文化財に指定された作品のみを展示する展覧会が、竹橋の「東京国立近代美術館」で開催。
重要文化財とは、日本国内にある建造物、美術工芸品、考古資料などの中で、歴史上・芸術上の価値の高いもの、または学術的に価値の高いものを、文部科学大臣が定めたもの。1950年に公布された文化財保護法に基づいており、特に優れたものが国宝に指定されるが、明治期以降の作品ではまだ指定されていない。
多くの作品は現代から見れば傑作であっても、発表された当時は誰も見たことのない新しい表現だったため、物議を醸し、問題作と言われたこともあったという。問題作が、なぜ傑作になり得たか。評価の変遷をたどる本展は、近代美術の魅力の再発見に加えて、現代アートを見る上でも多くの示唆に富むだろう。