美術家の内藤礼は、光や空気、水、重力といった自然がもたらす事象を通して、「地上の生の光景」を見いだすインスタレーション作品などを国内外で発表してきた。今回、上野の「東京国立博物館」という意外性に満ちた空間で個展を開催する。
同館が収蔵する縄文時代の土製品や建築空間との出合いをきっかけにした本展では、内藤が館蔵資料に見いだした、原始から現代につながるような精神世界を表現するという。かつて太陽とともにあった生と死、人と動植物や人と自然のあわいに起こる親密な協和を、自然光に照らされた展示室にそっと浮かび上がらせ、期待が高まる。
なお本展は、エルメス財団との共同企画で、東京国立博物館での展示会期終盤、2024年9月7日(土)からは「銀座メゾンエルメス フォーラム」でも、同名の個展を開催予定だ。同財団では、自然素材にまつわる知識や技術の共有を目指す「スキル・アカデミー」で、「土」にフォーカスしている。関連書籍などと併せて楽しみたい。
※9時30分~17時(入場は閉場の30分前まで)/定休日は月曜(7月15日、8月12日、9月16・23日は開館)、7月16日、8月13日、9月17日/料金は前売り1,400円、大学生800円/当日1,500円、大学生1,000円、高校生以下無料