有形文化財で、歴史を重ねた昭和レトロな建物の一水寮は、神楽坂上の隠れた名建築。その1階に入る「工芸青花」は、近所の老舗出版社・新潮社が手がける工芸雑誌「工芸青花」のギャラリーだ。
そもそもこの雑誌、1000部限定で1冊1万円を超えながら、ほぼ完売を続ける知る人ぞ知るシロモノ。そんなギャラリーだから、並ぶ品も半端ではない。
今、工芸の世界では、日常使いで味わいを増すような現代の生活に密着した器類を「生活工芸」と呼び、日本発祥の新しい工芸の流れとして捉える動きがある。このギャラリーは、その動きの一翼を担うコアなスペースとしても機能している。会期は月末に数日間が基本(初日は会員限定)。意外と敷居は低く、建物の雰囲気ともども肩肘張らずに堪能できる。