シンガポール出身のホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen)は、映像やインスタレーション、演劇的パフォーマンスなどの作品を、アジアを中心に世界各地で発表してきた。日本でも2021年に「豊田市美術館」で開催した個展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」が記憶に新しい作家だ。
清澄白河の「東京都現代美術館」で開催される「ホー・ツーニェン エージェントのA」は、2003年のデビュー作「ウタマ—歴史に現れたる名はすべて我なり」から、3Dアニメーションを用いた2017年の「一頭あるいは数頭のトラ」、2021年に「山口情報芸術センター(YCAM)」とコラボレーションした「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」など、7点の映像インスタレーションを展示し、これまでの歴史的探求の軌跡を辿る。
また、新たな展開であり、国内初公開となる最新作「時間(タイム)のT」(2023年)も非常に興味深い作品だ。現代アート好きなら見逃せない貴重な企画展となるだろう。