「買上」とは、東京藝術大学が卒業、修了制作の中から、各科ごとに特に優秀な作品を選定し大学が買い上げてきた制度のこと。同展では、東京藝術大学で買い上げられた1万件以上の作品の中から約100件を厳選し、展示する。
同展は2部で構成され、第1部「巨匠たちの学生制作」では、明治から昭和前期までの東京美術学校卒業制作を中心に展開。巨匠と呼ばれる横山大観「村童観猿翁」や和田英作の「渡頭の夕暮」、高村光太郎の「獅子吼」も、卒業制作であり代表作だ。近代日本美術をけん引した作家たちの原点を一度に観られる機会はそうないだろう。
第2部の「各科が選ぶ買上作品」では、各科ごとにエリアを設けて、選定した作品を数点ずつ展示。明治から現在までの美術教育の歩みが分かる、貴重な機会だ。