「わたし」をテーマに、約40年にわたって制作を続ける芸術家、森村泰昌の個展「楽しい五重人格」が「シュウゴアーツ」で開催。写真家・映像作家・文筆家・舞台の演者など、森村の中に存在する多種多様な人格から生まれ出る作品を紹介する。
本展に出品されるのは最新作と未発表作、近作で、相互に関係性を持たない5つのセクション(=五重人格)から構成されている。作品の中には森村が扮装した「甲斐庄楠音」「ナポレオン」「ミロの絵画」「カフカ」、そして「魯迅」など14点を鑑賞できる。
作品の中でも現実の世界でも、多様な役割をこなしている森村だが、統一感が欠如し散乱していることと、異なるキャラクターや価値が存在していることをむしろ肯定している。「お定まりのアイデンティティーに収斂(しゅうれん)されること」を回避したいという作家の意図を至近距離で感じられる展覧会となるだろう。
アートの自由さを感じに訪れてみては。