

橋口五葉のデザイン世界
「府中市美術館」で、明治末から大正期にかけて活動した文学書の装丁作家・橋口五葉(1881〜1921年)の個展「橋口五葉のデザイン世界」が開催。日本の書斎空間を美しく彩った五葉の装丁の世界を中心に、豊かなデザイン世界を紹介する。
女性の美しさを柔らかく表現した版画で世界的に知られている五葉は、書籍の装丁やポスター、洋画や日本画とジャンルを超えて多彩に活躍した。
五葉の仕事の出発点には、日本の近代装丁史に大きな足跡を残す夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の装丁があり、その後も日本近代文学を代表する作家の装丁を次々と手がけた。
装丁に見られる職人との協業や素材へのこだわり、画面を花々や小動物のモチーフで埋め尽くす華やかな装飾性は、その後の絵画や版画の仕事にも息づく。同時代のアール・ヌーヴォーと、琳派や浮世絵などの日本の伝統が、五葉の美意識の下に融合し、唯一無二の作品世界を生み出している。
本を立体として捉え、手のひらに収まる小さな世界に美しさが凝縮された五葉の装丁。今でも美しい輝きを放つ五葉が手がけた世界に入り込もう。
※10~17時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜/料金は800円、学生400円、小・中学生200円、未就学児無料