フランス人の画家、ポール・ジャクレー(Paul Jacoulet、1896〜1960年)の「新版画」162点を紹介する展覧会が、原宿の「太田記念美術館」で開催。パリ生まれのジャクレーは、10代で日本画を学び、浮世絵や歌舞伎などの日本文化にも精通していたという。
新版画とは、大正から昭和にかけて、絵師、彫師、摺師(すりし)の協同作業によって制作された木版画。昭和期の作品では、川瀬巴水や吉田博などの風景画が知られているが、本展では、サイパン島やヤップ島といったミクロネシアの人々、あるいは日本、アイヌ、朝鮮、中国、満州といったアジアの人々の姿が鮮やかな色彩で表現された、貴重な作品の数々が展示される。