2019年に反響を呼んだ「恐竜博」が「国立科学博物館」で約3年ぶりに開催。日本初公開となる鎧竜、ズール・クルリバスタトルの実物化石の展示を中心に、「攻・守」という観点から恐竜たちの進化を追う。
アンキロサウルス類の鎧竜であるズールは全長約6メートルもある大型の恐竜。頭骨から尾の棍棒まで揃った状態でアメリカの約7600万年前の地層から発見された。アンキロサウルス類では初の事例であり、その実物化石は「カナダ・ロイヤルオンタリオ博物館」以外で公開されたことはない。
同展では、ズールの特徴的な頭部から背中を覆う装甲、尾の棍棒までを公開。対峙(たいじ)するかのように配置される同時代に生きたティラノサウルス類のゴルゴサウルスの全身復元骨格とともに登場する。そのほか、肉食恐竜マイプ・マクロソラックスと、白亜紀最末期に北半球の生態系のトップにいたティラノサウルス・レックスなどと対比させながら紹介、最前線の研究や恐竜絶滅の謎に迫る。