平安時代の絵巻物『鳥獣戯画』を全巻場面替え、展示替えなしで公開する展示が東京国立博物館で開催。
動物を擬人化した場面で知られる『鳥獣戯画』は、完全な巻物の形では4巻が現存し、そこには動物のほかにも当時の行事や遊戯など多彩で魅力的な場面が描かれている。近年修復を終えてさまざまな新事実が発見された本作品の全場面を一度に鑑賞できる機会は今回が初めてとなる。
ウサギとカエルの相撲で有名な甲巻は動く歩道に乗って鑑賞するという、鑑賞者全員が作品を間近で見るための斬新な配慮もなされている。
さまざまな新機軸を導入して日本の優れた造形を見せてくれる本展は、日本博の一環としても見応えある展覧会となるだろう。