「東京都庭園美術館」で、「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」が開催。幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの4つのカテゴリーに出品作品を分け、ポスター約125点を中心に、冊子や雑誌などの多彩な作品を展示する。
見どころは、戦後西ドイツのグラフィックデザインを総覧できる充実さを誇る「A5コレクション デュッセルドルフ」から選ばれた珠玉の作品群。同コレクションは、主に戦後西ドイツのグラフィックデザインから成り、1000点以上のポスターやその他の資料類によって構成。日本では初公開となる。
中には、手書きのタイポグラフィを使用した作品など、カテゴリーを横断したものとして見ることのできる作品もあり、デザイナーたちによる斬新なアイデアや実験的な試みが楽しめる。ハンス・ヒルマン(Hans Hillmann)やオトル・アイヒャー(Otl Aicher)といった、西ドイツで活動したデザイナーたちによるクリエーションの魅力を発見してほしい。
また、戦後に生み出された西ドイツのグラフィックには、戦禍による傷跡の残る中、新たな時代を切り開くべく発信し続けたデザイナーたちのエネルギーと情熱も見て取れる。
会期中は、2025年3月30日(日)にクラシック音楽から現代音楽までドイツ音楽の世界へいざなうコンサートをはじめ、4月20日(日)に講演会「映画から見る戦後ドイツのポスターグラフィック」のほか、ワークショップなども開かれる。
デザイン教育を基盤としたモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界を堪能してほしい。
※10〜18時(3月21・22・28・29日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(5月5日は開館)、5月7日/料金は1,400円、学生1,120円、65歳以上・高校・中学生700円(第3水曜は65歳以上無料)