茶の文化を日本で初めて美術として紹介したのは、1980年に東京国立博物館で開催された『茶の美術展』だった。それから37年たった2017年、21世紀の新たな視点で捉えられた茶の湯文化の展覧会が、同地で開催される。何世紀もの時を経て、数寄者たちによって文化へと昇華した茶の湯だが、昨今の抹茶ブームやクールジャパンなど様々な形で受容されながら、何世紀にもわたるその歴史を振り返る機会は、これまであまりなかったように思う。同展では、室町時代から近代まで、足利将軍家から戦国武将、千利休、そして近代の数寄者たちが所有した、国宝級の名碗が一堂に会す。茶器などを通して、茶の文化の魅力に迫る展覧会にぜひ足を運びたい。
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