戦後に活躍した画家、藤松博の展覧会。無審査無賞の展覧会「読売アンデパンダン」に精力的に出展した画家の一人として知られる。戦後、海外の作家たちの自由な表現を積極的に取り入れ、1958年には渡米も経験している。同時期に渡米したアーティストのなかには草間彌生が挙げられる。彼が最も影響を受けたと言われているのが、アメリカ人アーティストのジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)だった。ポロックは「アクションペインティング」と呼ばれる、ペンキを含ませた筆を紙の上で振り落とす手法で知られる。藤松の作品のなかにも、同様の手法で作られた作品がある。同展では、アンデパンダンに出展していたころから、ポロックに影響を受けた1960年代、そして渡米後の作品まで、約60点を展示する。戦後、自由な表現を求めた藤松の作風の変化がよく分かるだろう。
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