

オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き
「パナソニック汐留美術館」で、近代美術の巨匠、オディロン・ルドン(Odilon Redon、1840〜1916年)の最初期から最晩年までの画業を紹介する展示が開催。国内外の名品を含む約110点の作品により、伝統と革新のはざまで、ルドンが独自の表現を築き上げていく姿を追う。
フランスのボルドーに生まれたルドンは、絵画と版画の基礎を学んだ後、神秘的とも奇怪ともいえる幻想的なイメージを、木炭画と石版画で表現。1890年代以降は、パステルや油彩へと次第に画材を持ち替え、花や神話、宗教、人物などを主題とする色彩豊かな作品を制作した。
ルドンが生きた19世紀後半と20世紀初頭は、科学の発展による技術革新が社会構造の多大な変化をもたらし、またアカデミックな芸術に対して、印象派などの新しい芸術潮流が次々と生まれた時代。ルドンは、それに並走するかのように、新しい画題に取り組み、表現媒体を変えていった。
見どころは、東京で初公開となる、晩年の主要な画題の一つの『窓』。また、ルドン流の進化論といわれる石版画集『起源』の9点は、揃って展示される。
光と影が創り出す輝きを宿した、ルドンの芸術世界へ入り込もう。
※10~18時(5月2日、6月6・20・21日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は水曜(6月18日は開館)/料金は1,300円、65歳以上1,200円、学生800円、中学生以下無料