従来の美術手法から拡張し、芸術の根源的な問い直しを続ける現代美術家、鴻池朋子と石橋財団コレクションが共演する展覧会が開催。展示室全体に広がる円形の大襖絵(ふすまえ)を中心とした新作インスタレーションを展示する。
本展では森羅万象を紙でかたどった影絵灯籠や、鴻池の声によるオオカミ、風、雪女など人間以外の生き物の音と映像の部屋が出現。そのほか幅12メートル、高さ4メートルの作品『皮トンビ』、アーティゾン美術館収蔵品であるクールベ『雪の中を駆ける鹿』、シスレー『森へ行く女たち』などを併せて紹介する。展示室を結ぶ通路には、毛皮やビニールなど多様な素材から成る森の小径を用意。五感が刺激され、宙返りするような視点が味わえる。
作品にあふれる野生の息遣いを体感してほしい。