2001年に当時史上最年少としてベネチア・ビエンナーレの金獅子賞を受賞した、ドイツを代表する現代美術作家グレゴール・シュナイダーによる個展が、六本木で開催。
家や部屋といった閉ざされた空間に作品を生み出すシュナイダー。彼は2014年に、自宅近くに現存していた、ナチス・ドイツの国民啓蒙宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッペルスが実際に生まれた生家を買い取り、家財や目録を丁寧に調べ上げ、そして建物の内部を徹底的に破壊し残骸を廃棄するという一連のプロジェクトを行った。
同プロジェクトを立体作品や映像作品によるインスタレーション構成で展示するのが今回の試み。創造性をもって個々人に潜む恐怖や好奇心に分け入った作品は、芸術がもつ雄弁性を体感させる。