幕末の浮世絵界を席巻した「歌川派」の中でも、これまであまり着目されてこなかった系譜に焦点を当てた展示が、弥生美術館で1月7日(火)から開催。
本展で扱う歌川派の系譜は、江戸時代の国芳に始まり、芳年、右田年英、鰭埼英朋(ひれざき・えいほう)、平成まで活動を続けた神保朋世へと至る。個々の作品を丁寧に辿りながら、彼らが、浮世絵から挿絵へと活動の場を変えていったという大きな時代の流れも明らかにされる。
作品を楽しむという意味では、作品に近づいて、版画の刷りの様子をじっくりと鑑賞できるのは滅多に体験できない至福の時間だ。記録に残っていながら、これまで未発見だった鰭埼の『焼あと』もこの展示に際して再発見されたのも特筆される。見逃さないように駆けつけよう。