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画像提供:INSECTS
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大阪、好奇心を刺激するショップ10選

ファッションアイテムから沖縄フード、河内音頭まで

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商売の街といわれる大阪は日本有数のショッピング街を擁し、市内には460もの商店街を数える。ハイブランドの店が並ぶ心斎橋筋から、古着やレコード店が点在するアメリカ村、専門店が連なる千日前道具屋筋商店街まで、街を歩けば、多様なショッピング体験が待っている。

ここでは、個店を中心に厳選して10のショップを紹介。ユーモアにあふれる発見や、新鮮な驚きが待っているだろう。好奇心の赴くまま、ディープな世界を探ってみてほしい。

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  • ショッピング

新世界にあるローカルカルチャースポット。店先に並ぶのはストリートアーティスト自らが作るZINEやバッジ、Tシャツなど、ここでしか出合えないものばかりだ。

店主は、2012年から「Zine Swap Meet Camp」という一風変わった活動を行っている。軽トラックなどで全国各地に出向いてポップアップショップスタイルでZINEなどを販売し、現地で出会った仲間たちと新たなクリエーションを生み出してきた。

2015年の旅の途中、ひょんなことから大阪の新世界で開店したのが「ボヤージュ キッズ(VOYAGE KIDS)」だ。じわじわとファンを獲得し、今では、最「尖」端ローカルカルチャーの集積地としての地位を確立している。ちなみに、前述した活動風景をしおりとして束ねた「Zine Swap Meet Camp」も同店で購入できる。

また、ゆかりのあるアーティストやレーベルなどが参加したTシャツ展「TEES RUN EVERYWHERE」といったイベントを頻繁に主催。2021年末からは店の真隣に、その名も「マトナリ(matonari)」というカルチャースペースを設け、陶芸教室や手作り石けんのワークショップなどを行っている。

不定休があるため、訪れる際は事前に公式Instagramをチェックしてほしい。

  • ショッピング

大正区を南北に走る大通り、「大正通り」沿いにあるコンビニエンスストア。沖縄県にルーツを持つ住民が数多く暮らす大正区という土地に合わせて、沖縄食材を豊富に揃えているのが同店の最大の特徴だ。泡盛やスパムなどはもちろん、ソーキ汁や「山羊汁」、沖縄風の炊き込みご飯である「ジューシー」といった沖縄ではメジャーな郷土料理のレトルト食品や調味料なども充実しており、旅先の宿で手軽に沖縄の味を楽しみたい時にも便利だろう。

デイリーヤマザキは、フランチャイズ契約者の自主性を重んじる気風があることで知られているが、ここまで地元のニーズに特化している店舗は全国でも珍しい。

店舗のオーナーは「地元の利用者の声に応えているうちに、このような商品構成になった」と話す。沖縄そばの生麺やつゆ、島豆腐やジーマミー豆腐など、賞味期限の比較的短い商品まで幅広く扱っている点からも、地元民から日常的に利用されていることがうかがえるだろう。

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  • ショッピング

今はスマートフォン一つで世界中の音楽が聴ける時代だが、「サブスク」の外に広がる音楽の世界はもっと広大で奥が深い。ワールドミュージックという沼、その入り口にして沼底のようなレコードショップが、心斎橋のアメリカ村にある「プランテーション(Plantation)」だ。

店内には、インドネシアをはじめ、タイ、ベトナムなどのアジア圏からブラジルまで、世界中のレコードやカセットテープが並ぶ。店主はワールドミュージックが一つのジャンルとして定着する前から世界各地へ足を運び、現地で買い付けを行ってきた。独自かつ確かなセンスによってセレクトされた「音盤」の中には、国内では同店でしか入手できないものも多い。

近年特に注目しているのは「多くの音楽家が、以前からそのオリジナリティーに注目してきた」というミャンマー音楽だ。また、インドネシアの伝説的シンガーソングライター、ハリー・ルスリの名作「ティティック・アピ(発火点)」がCD化された際には、邦訳歌詞と解説を付けて同店がディストリビューションした。

付け焼き刃的な検索だけではたどり着けない、ヒップなアジアンポップスやワールドミュージックの世界。まずはこの店を訪れ、耳から旅をしてみるのはどうだろうか。

  • ショッピング

木造の民家が立ち並ぶ中に、多数の飲食店、古着店、美容室、喫茶店などが2000年代以降相次いでオープンし、若者が集まる地域になった中崎町。キタの中心・梅田からも徒歩圏内という好立地のため、店舗数は増え続けている。

そんな注目エリアにある「ヤマストア(YAMASTORE)」は、えりすぐりの良品から斬新な商品まで、思わず笑ってしまうようなラインアップとディスプレーで楽しませてくれるセレクトショップだ。

アメリカのビンテージ古着やグッズをはじめ、ハンドメイド品、雑貨、共同経営者が展開するブランド「エアー(AIRR)」などを取り揃える。骨董(こっとう)品や民芸ブームとは一線を画し、スタッフいわく「カラフルでちょっとバカっぽいもの」を集めているという。

また「タカギリオワークス(TAKAGI RIO WORKS)」「キューエフディー(QFD)」といったローカルブランドの商品も取り扱っており、意外な関西土産が見つかるのもうれしい。オリジナルのTシャツやパーカー、トートバッグは要チェックだ。

1点ずつディテールを見ても飽きない。思わずじっくり眺めて長居してしまうだろう。

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  • ショッピング

「注染(ちゅうせん)」という技法で染められた手ぬぐいを販売するショップ。注染とは、一度に30〜40枚の布を染めることができる技法で、明治時代に大阪で誕生した。

店内には温かい絵柄の手ぬぐいが数多く並んでいるが、見逃せないのは大阪環状線やソウルフードなど、大阪をテーマにした商品。「旅先を持ち帰る」という心躍る体験ができるのはもちろん、大阪土産としても喜ばれること間違いなしだ。

また、同店にはカフェスペースやワークショップスペースも併設し、手ぬぐいを販売するだけではない新しい楽しみ方も提案している。ほっと一息つきつつ、カフェやコーヒーをテーマにした「ここことにじゆら」限定の手ぬぐいもチェックしよう。

臨時休業の場合もあるので、店のInstagramで営業状況をチェックしてから訪れるのがおすすめだ。

  • ミュージアム

伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸を館長に2012年、開館。同記念館では、歴史や楽器などの紹介を通じて、河内音頭の普及に努めている。

河内の中心といわれる八尾市では、夏場、多くの場所で櫓(やぐら)が立ち、盆踊りとともに河内音頭が披露される。そのルーツは1600年代ごろまでさかのぼり、仏供養のために歌われ出したのがきっかけだそう。その後、時代とともに変遷を遂げ、大正時代に初音家太三郎がさらに改良を重ね、現在につながる節回しやお囃子が誕生した。

一曲のことを「一席」と呼称し、一席は前口上から枕、本題、結び口上と続くというルールはあるものの、現代の河内音頭はかなり自由で、間に演歌が入ってきたりということもあるそうだ。

展示品は館長が使用した着物、楽器。不定期だが館長の所蔵品(展示物/解説は直筆)は入れ替わるほか、CDやテープの販売も行う。展示を眺めるのもいいが、口伝で継承されている河内音頭だけに、スタッフから話を聞くのが何より楽しい。どんどん質問してみてほしい。歴史もそうだが、その面白さについても優しく教えてもらえる。

また、館長のつながりからゲストを迎える「河内音頭セミナー」も開催しており、配信にも積極的である。年末年始のほか、展示入れ替え日は休館になるので、訪れる際は事前に公式ウェブサイトを確認しよう。

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  • ショッピング

大阪市内でも古い住宅が立ち並ぶ町、田辺。そんなエリアには、良い飲み屋や食事処のほかに、新しい書店が近年できている。その一つが築90年を越える民家を改築し、古本をメインに、新刊も少し取り扱う書店「LVDB BOOKS」だ。

日本人アーティストの写真集、デザイン書、ビジュアルブックの充実ぶりもさることながら、欧米、アジアのアーティストによる作品集なども豊富に取りそろえている。特に台湾の写真家たちを紹介する出版社「Voices of Photography」との親交は深く、彼らの写真展なども開催してきた。

絵本、料理書、人文などの書籍に加えて、店主がえりすぐったZINEやリトルプレスも豊富。さらに詩集、超個人的な趣味性の高いもの、ほかにも音楽家が自ら作った音を入れた携帯型デジタル音楽プレーヤーとその解説書を同封したものなど、とにかくさまざまなものがある。8000以上はあるという商品が並ぶ棚は、眺めているだけでも、楽しくて時間を忘れてしまう。

関西出身の写真家である中村寛史の展示、最近さらに注目度が高まっている落語家の桂二葉の寄席など、不定期ではあるがイベントも積極的に開催。まさに「アグレッシブな書店」という表現がぴったりの店だといえる。店主の社会問題や政治に対する「アティチュード」が大いに店に反映されている点も魅力だ。

  • ショッピング

世界的に見ても評価の高い日本の包丁の三大産地といえば、岐阜県関市、新潟県三条市、そして大阪府堺市。プロ用和包丁のシェアを90%以上を占める「堺包丁」を広めることに尽力しているのが、千日前道具屋筋商店街にある「堺一文字光秀」だ。

1953年創業、老舗の多い「道具屋筋」の中でもとりわけ威厳を保った店構えをしている。扱うのは同社オリジナル製品が中心で、ブランド名である「堺一文字光秀」の堂々たる看板の下、店内には2000種類もの包丁が並ぶ。

堺包丁の最大の特長は、ほかとは一線を画する切れ味。「生産性を犠牲にしてでも切れ味を追求したいと、現在も職人の分業制が貫かれているんです」と3代目当主が力強く語る。家業を継ぐ前に働いていた広告業界での経験を生かし、堺包丁の伝統継承に取り組んでいる。

例えば公式ウェブサイトでは、包丁そのものについての造詣を深められる読み物を充実させている。またケアが難しいといわれる鋼の包丁だが、メンテナンス方法の丁寧な解説ページはなんと6カ国語対応だ。少々ハードルが高く感じられるかもしれないが、家庭の味も包丁で変わる。来阪を機に、職人の手で生み出された一本の包丁と一生をともにしてみては。

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  • Things to do

小さな1坪半の店から始まり、世界屈指の造形集団となった「海洋堂」。その創業者である宮脇修の夢の結晶ともいえるテーマパークが「海洋堂ホビーランド」だ。

館内は全部で13のエリアに分かれており、海洋堂の作品をはじめ、プラモデルやミニチュアのコレクションなど1万点以上を展示。運が良ければ海洋堂の造形師・塗装師の実演を見ることもできる。

映画「グレムリン」「ザ・フライ」などの特殊メイクを担当したクリス・ウェイラスと共催した、世界で最初の動く実物大恐竜展「ディノアライブ」の実物大ティラノサウルスとトリケラトプスのレプリカヘッドは圧巻だ。「ものづくり」への情熱は、世代を問わず感じるものがあるだろう。

入場にはチケットが必要。当日券は上限を超えると販売しないため、前売り券をあらかじめ購入しておこう。

  • ショッピング

2017年、梅田から徒歩圏内にある下町エリアの中津に「IMA:ZINE」がオープンし、大阪のアパレル界に一陣の風が吹いた。単なる「セレクトショップ」ではなく、「編集」の観点から設計された、新しい空間が広がる。

今はその役目を終え休刊となってしまったが、長らく関西のストリートカルチャーをけん引してきた大阪発の雑誌「カジカジ」の元編集長が、店のオーナー。「今」「(マガ)ジン」から成り立っている、店名にも納得である。

「伝えるべき今を僕らの眼で選び抜き、新しい価値観を創造します」と語る通り、店内にはアーティストやデザイナーとのつながりやものづくりのプロセスを重要視したコラボレーション商品が並ぶ。「THE UNION」や「BOKU HA TANOSII」など、エッジとユーモアのきいた大阪発のブランドに触れたいなら、足を運ばない理由はない。

ロサンゼルスのシルバーレイクにあるセレクトショップ「Virgil Normal」のCharlie Stauntonが作成したというロゴが目印のIMA:ZINEオリジナル商品にも要注目。こだわり抜いた生地と構造、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインのシャツなどは、新たな日常着として取り入れたい。

2階のオルタナティブスペースは、写真家の名越啓介の個展を開催するなどギャラリーとしても機能。それだけでなく、ワークショップ会場や撮影スタジオにも変貌する。1階の奥にはZINEなどの販売も行うアートウォールもあり、まさに「今」を切り取る新感覚のアパレルショップだ。

大阪・関西万博で好奇心を刺激するなら......

  • Things to do

2025年は大阪の年になりそうだ。待望の万博が55年ぶりに大阪に帰ってくる。革新的な最新技術、世界中の斬新なアイデア、そして希望あふれる未来に向けた持続可能なソリューションがぎっしりと詰まった博覧会が始まるのだ。

大阪湾の沖合に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」で開催される2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)では、次世代航空モビリティから、内省的な思考を促す静けさの森まで、さまざまな出合いが待っている。会場内の至る所に数十の国や企業のパビリオンがあり、来場者を歓迎する。大阪・関西万博への旅は、一日がかりのものになることを覚悟しよう。

大阪・関西万博は、2025年4月13日(日)から10月13日(月)まで開催される。その包括的なテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。一人一人が、それぞれの可能性を最大限に発揮しながら自らの望む生き方を考えるきっかけとなることを指針としている。

しかし、大それたアイデアや未来的なテクノロジーが提示されるだけではなく、実際に体験できる楽しみもたくさんある。ここでは、タイムアウト東京英語版編集部がこの記念すべき大阪・関西万博で注目したい10の展示やイベント、パフォーマンスを紹介する。

原文はこちらから。

  • Things to do

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日(日)に開幕する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。 大阪・関西万博の最大の見どころは、世界各国のパビリオンが一堂に集まる点だろう。

158の国と地域が参加し、それぞれの文化や特徴を象徴するユニークな建築が立ち並ぶ景色は、万博ならでは。各パビリオン内では、各国の魅力を表現した展示が行われる。

せっかく訪れるのであれば、全てのパビリオンを巡りたいところだが、会場は広く、1日では回りきれないほどの規模がある。

そこで、タイムアウト東京のライターが実際に現地を訪れて厳選したおすすめの海外パビリオンを5つ紹介しよう。

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  • Things to do

「2025年日本国際博覧会」(以降「大阪・関西万博」)の開幕まで残り4カ月を切り、待ちに待った開催が目前に迫っている。国や地域、国際機関のパビリオンやテーマ別のシグネチャーパビリオンで提供される展示や体験の詳細が少しずつ発表され、会場の人工島・夢洲ではそれらの建物の一端を現しつつある。

2025年4月13日(日)の開幕を前に、夢洲で何を見て、楽しむことができるのか。タイムアウト東京では、今後数カ月にわたっていくつかのパビリオンを詳しく紹介し、関係者に話を聞く予定だ。まずは、日本にとって縁の深い国、オランダのパビリオンについて明らかにしよう。

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