A night view of Osaka
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2025年、大阪が今熱い8つの理由

大阪はなぜ注目を集め、訪れるべきなのか

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2025年は、大阪の年になりそうだ。「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」が開催され、世界の注目が大阪に集まる。街々も装い新たによみがえり、「タイムアウトマーケット大阪(Time Out Market Osaka)」や、「ユニバーサル スタジオ ジャパン」に「ドンキーコング・カントリー」がオープンしたほか、カフェ、音楽、アート、カクテルシーンまで活性化している。大阪を今訪れるべき8つの理由を、タイムアウト大阪の英語版編集部が紹介する。

原文はこちらから。

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1. 街が生まれ変わっているから。

未来社会の実験場たる大阪・関西万博の開催地にふさわしく、大阪の街は未来志向で適応力にすぐれ、変化を受け入れる素地がある。

大阪駅の裏手にひっそりとたたずむ、中崎町を例に挙げよう。太平洋戦争時、奇跡的に空襲を免れたこの街は、大正や昭和の時代の建物が数多く残され、良く言えば下町情緒が残る、悪く言えば開発が及ばず寂れたエリアだった。しかし、近年は曲がりくねった路地に古民家を生かしたカフェやレストラン、ギャラリー、ブティックが立ち並ぶ「ヒップスター」たちの中心地になっている。 中崎町再活性化の火付け役となったアートカフェ「サロン ド アマント(Salon de AManTO)」は、老朽化し​​た明治時代の建物を活気あるコミュニティースペースへと生まれ変わらせた。これをきっかけに、アートによる地域おこしのムーブメントが広がっていったのだ。

北加賀屋でも似たようなことが起こった。アーティストやクリエーターたちが工場や倉庫をスタジオやギャラリーに改装し、造船業の衰退で低迷していた工業地帯に活気を取り戻している。 大阪は、歴史的にも各地で再開発が行われてきた街だった。「うめきた」はかつて、ほとんど使われていない鉄道車両基地だったが、壮大な再開発プロジェクトによって「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」が誕生した。

また、流行にはほど遠かった福島は近年個性派揃いのグルメの中心地として変貌を遂げ、国内最大のコリアンタウンである鶴橋も、韓国文化の発信地として知られるようになった。趣ある商店街にはさまざまなキムチや「トッポッキ」を販売する店が数多くあり、K-POPアイテムや韓国コスメの店が軒を連ねている。

2. 「タイムアウトマーケット」が誕生したから。

一方で、変わらないものもある。道頓堀を歩けばたこ焼きの店に長蛇の列ができていたり、もうもうと煙の立ち込める店内でお好み焼きが焼かれていたり、二度づけ禁止の貼り紙がある串カツ店が人気だったりする。大阪は古くから天下の台所であり、「食い倒れの街」は今でも健在だ。ただし、それは食欲次第、懐事情にもよるだろう。

大阪の食文化は多様性に富んでいるが、共通するのは形式ばったものへの懐疑心、ほかの街で見られるような堅苦しい飲食店への抵抗感である。ただ社交的で手頃な価格、気取らない食事を好むからとはいえ、大阪人の味覚が洗練されていないというわけではない。それは近年、大阪のレストランが獲得したミシュランの星の数を見れば一目瞭然である。

新しい食のアイデアや予想外の味付け、実験的な食の試みが大好きで、形だけのフォーマルなものを敬遠する大阪は、タイムアウトマーケット大阪の立地にとっても完璧な場所といえる。世界中の料理の味付けにインスパイアされた「クシアゲ ゼロゼロイチ(Kushiage 001)」や、吟味された食材とオリジナルソースの味わいが絶妙な「コアラ食堂」など、大阪の定番料理を進化させたメニューが楽しめる。

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3. 熱戦が繰り広げられるスポーツの中心地だから。

大阪はスポーツの街であり、野球から大相撲、さらにはボートレースまで、あらゆるスポーツを応援する熱狂的なファンがいる。 中でも野球は王様で、甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースは、その中心的存在である。同チームは、長年の暗黒時代にも離れることなく支え続けた熱烈なファンがいることでも知られている。2023年、阪神タイガースは実に38年ぶりに日本シリーズを制し、ファンは歓喜に沸いた。彼らが破ったのは、2022年に日本一に輝いた大阪のライバル、オリックス・バファローズ。大阪府民は、2025年も同一カードでの優勝決定戦での対戦を願っている。

Jリーグでは、サッカーファンがガンバ大阪とセレッソ大阪を応援している。Jリーグ初期から活躍するトップクラブの一つであるガンバ大阪は、2024年のシーズンが4位に終わり、鮮やかなピンクのユニフォームをまとうセレッソ大阪は10位に終わった。

日本の伝統的なスポーツなら、毎年3月に「エディオンアリーナ大阪」で開催される大相撲が人気だ。往年のファンたちの歓声が会場を盛り上げる。また、「大阪城ホール」や「大阪府立体育館」などでは、プロレスの試合が行われる。大阪名物の覆面をかぶったレスラーが躍動する地元密着のプロレスや女子プロレスも人気があり、観客を魅了している。

ボートレース住之江」で開催される競艇も忘れてはならない。レーサーたちが水面を滑るように駆け抜けていく。そこでは速さだけでなく、機知に富んだレース展開が繰り広げられ、手に汗握るアドレナリン全開のスポーツ観戦ができるだろう。

4. バーテンダーの魔法にかかるため。

バーシーンが常に成長を続ける大阪では、 オーセンティックな店から個性派まで、選択肢に事欠かない。 難波の地下に潜むように店を構える「バイブル クラブ オオサカ(Bible Club Osaka)」のテーマは、禁酒法時代のアメリカ。グラスや家具はアンティークにこだわり、星の数がまだ48しかない星条旗を掲げるという徹底ぶりだ。

この薄暗い隠れ家で提供されるカクテルは、新鮮な驚きを与えてくれる。その一つが「バーン・バーナー」。いぶされた干し草の香りと、冬小麦を使用したバーボンの香りの融合を心ゆくまで楽しめる。

もう一つのおすすめである「ビスコサワー」は、大阪発祥企業の江崎グリコが生んだ「ビスコ」をフィーチャーした、遊び心あふれるカクテルだ。1920年代の軽快な音楽と国際色豊かなゲストの交わす会話を聞きつつ、アーモンド風味の焼き菓子をつまみながらグラスを傾け、更けていく夜をゆったりと過ごそう。

さらに足を延ばすなら、難波からもほど近いアメリカ村の「バー ナユタ(Bar Nayuta)」へ。なんの変哲もないビルの上階に位置しており、探し出すのは一苦労だが、その労力の何倍も訪れる価値がある。こぢんまりとした空間はキャンドルで照らされ、多種多様な酒が並ぶカウンターの奥には知識豊富なバーテンダーが控えている。同店にはメニューがなく、好みを伝えれば今まで体験したことのない唯一無二のカクテルを作ってもらえる。

ナユタ同様にミステリアスで魅惑的な小空間が、北新地の「クラフトルーム(CRAFTROOM)」だ。現代的にアップデートしたクラシックカクテルで名を上げ、大阪では初めて「アジアのベストバー50」に選ばれた。

より明るく広々とした空間で飲みたい気分であれば、心斎橋に位置する五つ星ホテル「ダブリュー(W)大阪」に併設された「リビングルーム(LIVING ROOM)」を勧めたい。地上の雑踏から離れ、オリジナリティーあふれるカクテル片手に、常駐するDJの選曲に身を委ねてくつろぐ。これこそ楽園というものだ。

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5. この街でしか聴けない音楽があるから。

生気に満ち、気取らず、とがっている。そんな大阪の音楽シーンは、街の姿を映し出しており、それだけに一層興味深い。大阪におけるライブハウスの選択肢は幅広く、アメリカ村の「ライブハウスパンゲア(Live House Pangea)」や「ライブハウスブロンズ(LIVEHOUSE BRONZE)」では気鋭のバンドを発掘できるだろうし、パンクに特化したハコならば「火影(HOKAGE)」がある。

ジャズファンが向かうべき場所としては、難波の「ジャズバー ハチヨンゴ(Jazz Bar 845)」があり、道頓堀の「アンダー(UNDER)」では夜遅いオープンから始発までサイケデリックトランスやテクノが聴ける。

大阪の活発な音楽シーンを語る上で外せないのが、1986年のオープン以来、39年にわたって大阪発以外ではありえない異端のサウンドを切り開いてきた「難波ベアーズ(Namba BEARS)」だ。

大阪拠点の伝説的オルタナティブロックバンド「ボアダムス」のメンバーでもあった山本精一がオーナー店主を務める同店は、徹頭徹尾、DIY精神に貫かれている。エントランスフィーは安く、ドリンクは持ち込みが基本(缶ビールを購入できるため、手ぶらでも心配ない)。音響は鼓膜が破れそうなほどの爆音なので、イヤープラグを用意しておくのも忘れずに。

クラブでは「ジュール(JOULE)」が見逃せない。2層吹き抜けの広いダンスフロアとルーフテラスを備え、ハウスからヒップホップまでカバーしている。

6. 個性豊かなコーヒーを味わうため。

近年、急速な発展を見せる大阪のコーヒー文化。そうした中で、コーヒー好きを引きつけてやまないのが「リロ コーヒー ロースターズ(Lilo Coffee Roasters)」だ。豆の種類が豊富で、間違いなく自分好みのものが見つかるだろう。さまざまな焙煎(ばいせん)や抽出の器具に囲まれて働くバリスタたちは、喜んでチョイスを手助けしてくれる。

同店で満足のいく体験ができるのは間違いないが、タイムアウトのいちおしは、すぐ近くに位置する姉妹店の「リロ珈琲喫茶」だ。本店と同様、多種多様な選択肢の中から豆を選び、ハンドドリップ、エスプレッソ、サイフォン、エアロプレスといった抽出方法を指定してできる自分だけの一杯を、レトロな喫茶店そのままの空間で味わえる。

次に紹介したいのは、本町の隠れ家「ノットイコール コーヒー(NOTEQUAL COFFEE)」。看板も、壁も、椅子も、カウンターも漆黒に統一された同店では、提供されるコーヒーもダークな深いりが中心であることに不思議はない。

しっかりとした味わいが好みであれば、大阪市内に3店舗を構える「ブルックリン ロースティング カンパニー(Brooklyn Roasting Company)」も訪れたい。北浜店では、土佐堀川に面したテラスで、非の打ちどころのないエスプレッソ系ドリンクを、心ゆくまで楽しめる。

最後は「メルコーヒー ロースターズ(Mel Coffee Roasters)」。店名の「Mel」とは、オーナーがコーヒーにほれ込んだ街、オーストラリア・メルボルンの略称だ。浅いりのドリップコーヒーが専門ではあるのだが、オーストラリア発祥のエスプレッソ系ドリンクである「フラットホワイト」にも注目だ。同店がタイムアウトマーケット大阪に進出したことは喜ばしい。

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7. ドンキーコングがホームタウンにしたから。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」は2001年の創業以来、映画を題材にした乗り物やアトラクションで、子どもから大人までを魅了してきた。2024年末には「ドンキーコング・カントリー」がオープンしたことで、さらにレベルアップしている。

スーパー・ニンテンドー・ワールド」に新設されたこの新ゾーンには、ゲーム、乗り物、ドンキーコングをテーマにしたシェイクやホットドッグを提供するカート、そしてドンキーコングに会える「ドンキーコングとのミート&グリート」などがある。

目玉のアトラクションは「ドンキーコングのクレイジー・トロッコ」で、ゲームに登場するトロッコのシーンを実際に体験できるような疾走感あふれるジェットコースター。「タルたいほう」から飛び出し、壊れた線路の上を猛スピードで駆け抜ける。途中、レールが途切れたところをジャンプしたり、水をかけられたり、笑いと悲鳴に包まれる愉快なアトラクションだ。

8. 55年の時を経て万博が帰ってくるから。

大阪・関西万博の開幕は、大阪にとって、前回の万博以来のビッグイベントといえよう。この歴史的な祭典について、改めて知っておきたいことを復習しておいてほしい。

「万博」とは?

世界各国が一堂に会し、最先端のテクノロジーやイノベーションを創意工夫に満ちたパビリオンで展示する、最大6カ月にわたる一大イベントである。

万博が始まったのは?

第1回は1851年の「ロンドン万国博覧会」。以来万博では、トマトケチャップやアイスクリームのコーンや電話機から、コンセントやタッチパネル式デバイスや水素カーまで、時代の先を行くイノベーションが披露されてきた。

大阪は以前にも開催地になったことがある?

もちろん、イエス。1970年の「日本万国博覧会(以下、大阪万博)」は大成功を収め、20世紀に開催された万博の中では最多の入場者数を記録した。

その跡地は現在も公園として公開されており、建設から55年にわたって威光を放ってきた、高さ約70メートルの「太陽の塔」があることで知られているほか、桜の名所にもなっている。

携帯電話やIMAXシアターの原型も、実はこの大阪万博で発表された。

2回も開催地になることは珍しい?

その通り。日本では大阪以外にそうした都市はない。世界もその事実に注目しており、161の国や地域、9の国際機関が参加を表明している。

今回の万博はどんなもの?

「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマの下、「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」の3つのサブテーマがうたわれており、展示やイベントはこれらのテーマに沿って展開される。

会場デザインのプロデューサーを務めているのは、建築家の藤本壮介。彼の設計による大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」は、高さ約20メートル、1周約2キロメートルの巨大な円形の建築物で、大阪湾を見渡しながらその上を歩ける。

「ミャクミャク」って?

「ミャクミャク」は、大阪・関西万博の公式キャラクター。水や細胞をモチーフとしており、さまざまな姿に変身できるという。水都としての大阪のイメージを「脈々と」受け継いでいるといえそうだ。

訪れるには?

開催期間は4月13日(日)から10月13日(月)、会場は大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」だ。チケットの入手については公式ウェブサイトで確認しよう。

「食い倒れの街」大阪をもっと堪能するなら……

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

大阪を代表する「粉もん」料理の一つ、「お好み焼き」。関西では家庭で食べられるものでもあるが、大阪のお好み焼きの店舗数は全国指折りを誇る。ジュウジュウとソースが焼ける音と香ばしい匂いに包まれ、わいわい言いながら一つのお好み焼きを分け合うのは、大阪らしいひとときだ。

ここでは、お好み焼きのルーツといわれる「一銭焼き」の店からグルテンフリーのお好み焼きを提供する店まで、厳選して5店を紹介する。本場の味をぜひ楽しんでほしい。

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スパイスカレーの聖地とも言われる大阪。4年連続でミシュランガイドに掲載されたレジェンドや、一部で「幻」と呼ばれているカレーなど、さまざまなタイプに分かれている。

食欲をかき立てられるスパイスの香りを思い切り吸い込み、見た目も美しいカレーたちに心をときめかせたい。食い倒れの街、大阪で、めくるめくカレー探しの旅に出よう。

  • ラーメン

大阪グルメといえば「粉もん」の名が上がる。麺類の代表格は「うどん」であり、人口あたりのラーメン店はけっして多くはない大阪だが、むろん行列のできる名店は存在する。

2022年にオープンした異色の経歴を持つオーナーが手がける店から、高井田系といわれる東大阪発祥のご当地ラーメンを提供する店まで厳選して4店を紹介する。粉もん文化の中で揉まれて育まれた大阪ラーメンをぜひ味わってほしい。

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  • ワインバー

日本はナチュラルワインの輸入大国といわれるほど、ナチュラルワインに親しんでいる。現在では若手を中心に、日本でもナチュラルワインを産するワイナリーが増えている。土地の個性を生かしているため、味わい深く、和食と相性がいいのも魅力だ。

ここでは、大阪の都市型ワイナリーをはじめ、絶品のペアリングが楽しめる店や日本産ナチュラルワインを知り尽くしたソムリエールがオーナーを務める店など、日本産のナチュラルワインにほれ込んだ大阪のワインバーやレストランを厳選して5店舗を紹介しよう。

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