「日本初のクラシック音楽専用ホールをつくりたい」という、指揮者の朝比奈隆の思いを背景に設立された「ザ・シンフォニーホール(The Symphony Hall)」。音響基準の究極系ともいえる「残響2秒」の空間では、数多くの名演が生まれている。
多目的ホールのようにオーケストラピットや可動式舞台がなく、ステージ奥のパイプオルガンと舞台を客席が囲むアリーナ形式というシンプルなスタイルは、クラシック音楽を追求するという志を表す。巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤンにして「ウィーン楽友協会大ホールに比肩するほどの世界一の音響だ」と言わしめ、舞台に口づけをしたというエピソードが残っている。