東大阪市東花園の住宅街でひときわ目立つ、白い壁に青緑のラインがしゃれた美容室。実はここ、時間になるとマニア絶賛のラーメン店に変貌するのである。
メインの「支那そば」(並760円、以下全て税込み)は、「熟成豚骨醤油」「鶏塩」「鶏醤油」の3種類から選べる。特におすすめなのが「鶏塩」。一口すすれば、名古屋コーチンと4種類の天然塩がきいたスープが舌にじーんと沈んでいく。ツルンと口当たりの良い麺から、ほどけていくような食感の豚肩ロース、2日かけてだしで炊いた黒い穂先メンマまで、計算され尽くした見事な調和はまさに職人技。さらに煮卵も付いているのだから、むしろ少し心配になる価格設定だ。
また「メインはラーメンです」と言いつつ、「欧風カリー」(600円)も逸品。ラーメンと同じく化学調味料は使用しておらず、それどころかフォン(スープの下地になるだし汁)から全て手作りしている。
店主は毎朝4時から仕込みをし、美容室の仕事も並行してこなしているそう。華々しい才能の裏には、やはり相応の努力があったのだ。「それを知った美容室のお客さんから、朝6時に予約の電話がかかってきますけどね」と、オチをつけることも忘れないサービス精神に敬服してしまう。