新世界のシンボル・通天閣のたもとで1967年から営業を続ける喫茶店。緑のツタに覆われた建物が印象的で、食品サンプルが並ぶ入り口のショーケースにも心が躍る。
店内を彩るのは、朱色の椅子や丸みを帯びた銀色のランプなど、レトロ感漂うインテリアの数々。新聞を片手に静かにコーヒーを飲む常連客もいれば、ガイドブックを広げて次の行き先を楽しそうに話す観光客もいる。それが、この店の日常風景だ。
ウエーター姿のネコが描かれたメニュー表を開くと、鉄板で焼き上げる分厚いホットケーキや緑色に輝くクリームソーダ、ハムや卵のサンドイッチなど、「喫茶店といえば」の王道メニューが名を連ねる。
中でもひときわ目を引くのが「プリンローヤル」。中央に控えるプリンの周りには、リンゴ、バナナ、黄桃、オレンジ、パイナップル……とあふれんばかりのフルーツが盛り付けられている。そのたたずまいは、「ローヤル」の名のごとく気品すら漂う。創業当時のレシピを守り、「柔らか過ぎず、硬過ぎず」手作りされたプリンは、口当たりは滑らかで、ミルキーな味わいの後にカラメルの苦味がふわっと広がる。
「プリン」は単品の注文もできるので、気分に合わせて選んでみよう。