にぎやかな千日前通りから一本入った相生町通りに現れる小さな路地「利兵衛横丁」。ここで2020年6月にオープンしたのが「カリーノアトリエ」だ。もともと会社員だった店主はカレー好きが高じ、間借りから営業を始めた。
大阪のスパイスカレーといえば、「自由」であることが最大の特徴。「自分ならではのカレーを」と考えた時に店主の頭に浮かんだのが、地元・和歌山の郷土料理「茶粥」の存在だった。「二日酔いでも食べられる料理にしたいと思って」と、茶葉店を巡り1カ月試行錯誤した果てに生まれたのが、水の代わりにほうじ茶を使ってカレーを作るという独自スタイルだ。
おすすめは、定番の「ほうじ茶チキンカレー」か「ほうじ茶鯖ごぼうキーマカレー」と「本日のスペシャルカレー」をあいがけした「2種あいがけ」(1,300円、以下全て税込み)。約20種のスパイスを使ったカレーのベースと具材をほうじ茶で煮込み、仕上げには焙煎(ばいせん)したほうじ茶をふりかける。
一口食べると、香ばしさと程よい苦みが口の中いっぱいに広がる。ほうじ茶で煮込むことで、ごろっとしたチキンも柔らかい。クローブやカルダモンなど4種のスパイスで炊いたジャスミン米がカレーと合わさり、華やかさは無限大だ。
夜はカレーのみならず、スパイスを使ったつまみが並ぶ居酒屋スタイルで営業。「自家製スパイスとりハム」(385円)や「だし巻きチーズキーマ」(550円)などと一緒に、店主おすすめの「ほうじ茶ハイ」(550円)や「ナチュールワイン」(650円から)をたしなもう。