作家・司馬遼太郎の業績を伝えるべく、司馬の自宅の敷地内に設立された記念館。同施設のコンセプトは「感じる記念館」。展示された作品や資料を通して、司馬や自分自身との対話を楽しんでほしいという願いが込められている。
地下に降りると、目の前にそびえ立つのは建築家・安藤忠雄が設計した書架。高さ11メートルの書架には、初版本から共著や合著、外国語に翻訳された作品までが発行年月日順に並び、まさに圧巻の一言に尽きる。司馬が執筆時に使っていた万年筆やメガネ、推敲(すいこう)用の色鉛筆のほか、参考にしたという蔵書も展示されており、彼の頭の中をほんの少しのぞいているような気分になれるのも面白いところだ。
展示室では定期的に企画展を開催するほか、ホールでは司馬にまつわる映像も上映。司馬作品が読めるカフェも併設されており、さまざまな角度から「対話」が楽しめるだろう。