昔ながらの下町風情が残る東淀川区にあるブリューパブ。梅田から電車と徒歩で20分ほどかかる、お世辞にも便利とは言えない立地だが、土・日曜日のみの営業時には広い店内がビール好きでいっぱいになる。そのわけは、出来たてビールのおいしさに加えて、店舗空間のユニークさと心地よさにもある。
1960年に創業した元銭湯をリノベーションした店は、かつての女湯を醸造設備、男湯をパブスペースとして活用。レトロで美しい曲線美を描くタイル張りの浴槽に腰掛けて飲むビールは、「お風呂に入ってなくても湯上がり気分になる」と好評だ。
自家醸造のビールは生が5種類(各500円、以下全て税込み)、瓶ビールが8種類前後(各800円)。フードメニューはないが、食べたい人は持ち込みができる。駅から店までの間には商店街があるので、たこ焼きや焼き鳥などを買うのがおすすめだ。ビールのお供を選ぶのも、店を訪れる時の楽しみの一つとなるだろう。
醸造長の南彰が目指すスタイルは、「極端な味や、とがり過ぎた味にせず。そして、醸造ごとに少しずつレシピを変えて、同じビールは作らない。一期一会の味」。常に新しい一杯に出合えることも、「わざわざ」そして「また」来たくなる理由のようだ。