藤井寺駅から歩いて10分ほどのところにある小さなビールの醸造所。「河内乃えーる」を醸造し、そのラインアップは「ヴァイツェン」「ピルスナー」「ペールエール」「スタウト」の4つだ。ここでは、瓶の販売のほか、樽生での提供(土・日曜日の作業に余裕のあるタイミングのみ)も行っている。
「河内乃えーる」の特徴は、いずれにも「上の太子観光みかん園」で栽培された温州ミカンの皮が用いられていること。使用しているのは、普段我々が口にする完熟したものではない。養分が十分に行き渡った高品質なミカンを毎年収穫できるようにと「間引き摘果」された、通常は捨てられてしまう果実の皮が用いられているのだ。
7月初旬に間引き摘果された緑色の温州ミカンは、見た目も香りもカボスのよう。特に「スタウト」は、ゴクゴクと飲めてしまうその軽やかさに驚くので、「黒ビール苦手かも」という人こそぜひ飲んでみてほしい。実は、店主・澁谷香名の配偶者の先祖は、日本人として初めて国内でビールを醸造したといわれる渋谷庄三郎。瓶で味わう際は、当時のラベルをオマージュしたという「犬のマーク」のエチケットにも注目だ。
そのほか、藤井寺市発のクラフトコーラ「フジコーラ」とコラボレーションしたビールや、藤井寺駅前北商店街内に店を構える老舗「岡田園茶舗」で焙煎(ばいせん)されたほうじ茶の茶葉を用いた「ほうじ茶えーる」など、地元の「おいしい素材」と「河内乃えーる」を組み合わせた商品も展開している。ビール好きはこちらも要チェックである。