農作物のイメージはあまりないといえる、大阪。しかし、大阪人が胸を張って自慢したい野菜がある。それは皮が薄く、上品な甘みを持った泉州の「水なす」だ。その代表的な食べ方である「水なすの漬けもの」の本当においしいものを食べてみたければ、ぜひ泉佐野市へ足を伸ばしてほしい。食文化に真正面から向き合う袋谷夫妻が営む「泉州特産水なす漬け本舗 マコト商店」があるからだ。
マコト商店では「季節を大切にしたい」と、旬の時期のもの以外は使わない。そのため水なすの漬けものを購入できるのは、4〜10月頃限定。その日の朝に採れたものを、その日のうちに漬け、その日のうちに発送する。信頼できる農家から仕入れた新鮮な水なすは、リンゴのようにパリッとした皮の歯応えに瑞々しい食感、自然の甘い香りを堪能できる。
とはいえ、水なすの時期から外れてしまった人も憂うことなかれ。お勧めしたいのが通年で販売している「じゃこごうこ」と「蔵だし ジュレ じゃこごうこ」(各600円、店頭購入の場合は500円)。この地域で「じゃこ」と言えば小エビのことで、これを古漬けにした水なすと炊いたのが泉州の郷土料理「じゃこごうこ」だ。小エビから出ただしがよく染みた水なすは、あっさりとしていながらも風味豊かで食欲をそそる「飯泥棒」だ。
また、秋・冬シーズンには、添加物を一切使用せず、無農菜野菜や地元中心の食材にこだわった弁当(1,000円)や総菜(300円から)も販売。晴れた日は、テイクアウトして近くの海沿いで食べるのも気持ちがいい。