大阪市内でも古い住宅が立ち並ぶ町、田辺。そんなエリアには、良い飲み屋や食事処のほかに、新しい書店が近年できている。その一つが築90年を越える民家を改築し、古本をメインに、新刊も少し取り扱う書店「LVDB BOOKS」だ。
日本人アーティストの写真集、デザイン書、ビジュアルブックの充実ぶりもさることながら、欧米、アジアのアーティストによる作品集なども豊富に取りそろえている。特に台湾の写真家たちを紹介する出版社「Voices of Photography」との親交は深く、彼らの写真展なども開催してきた。
絵本、料理書、人文などの書籍に加えて、店主がえりすぐったZINEやリトルプレスも豊富。さらに詩集、超個人的な趣味性の高いもの、ほかにも音楽家が自ら作った音を入れた携帯型デジタル音楽プレーヤーとその解説書を同封したものなど、とにかくさまざまなものがある。8000以上はあるという商品が並ぶ棚は、眺めているだけでも、楽しくて時間を忘れてしまう。
関西出身の写真家である中村寛史の展示、最近さらに注目度が高まっている落語家の桂二葉の寄席など、不定期ではあるがイベントも積極的に開催。まさに「アグレッシブな書店」という表現がぴったりの店だといえる。店主の社会問題や政治に対する「アティチュード」が大いに店に反映されている点も魅力だ。