1940年創業、箕面市の銘菓として知られる「もみじの天ぷら」の老舗店。衣を付けた葉にまんべんなく火が通るように約20分くるくると返しながらじっくりと油で揚げられた「もみじの天ぷら」を1年中販売している(11〜12月の繁忙期は電話での完全予約制で販売)。
「もみじの天ぷら」に用いられるのは、観賞用として馴染みのある「イロハモミジ」ではなく、「一行寺楓」という食用のもの。柔らかく歯ざわりのいい食感をさらに追求するべく、1985年ごろから同店が所有する山林で「一行寺楓」を木から無農薬栽培で育てる取り組みをスタートした。毎年、黄色く色づいた頃合いで葉を収穫、水洗いして1年以上塩漬けに。寝かせた葉を丁寧に塩抜きし、1枚ずつ天ぷらにして提供している。
2020年には「もみじ茶」を用いたソフトクリームや「箕面ビール」なども味わえる、カフェスペースを併設した「小紅(Cobeni)」を本店のすぐそばにオープン。本店では「プレーン」のみの提供だが、ここでは「グリーンティー味」や「黒糖味」「七味味」など、新感覚の「もみじの天ぷら」も揃えている。
小紅では、電話予約をせずに商品を購入することもできるが、前日までの予約分で店頭販売分がなくなってしまうこともしばしば。事前に予約をしておくのが安心である。
創業時から受け継がれる伝統の製法と技術で手間ひま惜しまずに作られた「もみじの天ぷら」は、かりんとうのような優しい甘さ。一度口にすれば、きっと手が止まらなくなるはずだ。