心斎橋駅を出てすぐ、ピンク色の看板が出ているビルの細い階段を3階まで上がると、ジャケットのコラージュや手書きのポップ、昔ながらの「バンド仲間募集」のチラシが貼られた店の入り口が見える。その先に所狭しと並ぶのは、1960~70年代のロックやソウル、ブルースを中心としたオールジャンルのアナログレコードやCDだ。
オープンしたのは、1989年。多くのレコード店が集まるアメリカ村とは御堂筋を挟んで反対側の東心斎橋エリアから、30年以上も一帯の音楽カルチャーを見守ってきた。時代が変わった今でも、良盤を求めて訪れる人が絶えない。
その理由は、店主の知識と経験で丁寧に選ばれ、値付けされた商品にあるといえるだろう。ちまたで高騰しているアイテムに手頃な価格でポロッと出合う、なんてことがあるのも、ここでは少なくない。
この店にはオンラインショップはない。リアルの体験として足を運び、これぞという音盤を見つけてほしい。店を後にし、階段を降りる時の満足感は、ひときわ大きくなるはずだ。