大阪府東南部に位置する富田林は、府内有数の自然豊かなエリアである。1960〜80年代にはニュータウンが造られ、にぎわいを見せた。そんな郊外の町で、自身も作家であるオーナーが「都市部とは違った美術への関わりを」と考えて、作り上げたギャラリーが「ギャラリーブラウカッツェ(Gallery Blau Katze)」だ。
同ギャラリーは、毎年開催される「FUKA展」という公募展でよく知られている。府下にあるギャラリー同士のつながりのもと、若手の意味を改めて問い直し、作家の成長する場を提供すべく2017年に始まった。
驚くべきは、同展をオーナーが1人で運営していることだろう。大阪の各地域への貢献、さらには、若手作家の育成を夢見て活動を続けるバイタリティーと行動力には頭が下がる。
FUKA展の開催時以外も、ハロウィンなどの季節イベントをはじめ、作家と作り上げる展覧会など、精力的に活動。ギャラリー横には、これまで同ギャラリーで個展を開催した作家の手形を収めた「未完の壁」がある。作家たちが、大きくなってまたここに帰ってくるという夢と誓いを表現しているという。