古くから厄除け観音として信仰される水間寺。その境内にある「愛染堂」は「お夏清十郎伝説」という恋愛成就の伝説が伝わる場所で、良縁や縁結びにご利益があるといわれている。
「お夏清十郎伝説」とは、今から約700年前の南北朝時代の話で、京の遣いで水間という村(現・貝塚市)にやってきた武士の山名清十郎と、村一番の美女として有名だったお夏が、身分の違いを乗り越え結ばれたというものだ。清十郎が村を出た後も彼を忘れられなかったお夏は、愛染堂が祭る縁結びの仏「愛染明王」に毎晩参拝に行っていたのだそう。お夏のように思い人がいるならば、必ず「愛染明王」にお参りをしたい。
ちなみに、見事結ばれた清十郎とお夏は、愛染堂の前庭の横で今も眠っている。この伝説のような結末を望むのなら、お夏が2人の名前を書いて結び文をしたという「愛染椿」や、少し離れた裏山(水間公園内)にある縁結びの橋「愛染橋」も見逃せないスポットだ。2017年には「恋人の聖地」にも選定された愛染堂で、良縁を願おう。