大阪弁で「まっちゃまち」と親しみを込めて発音される人形の街・松屋町。江戸時代の「大坂夏の陣」の後、このエリアには城下町復興で瓦需要が高まり、多くの瓦職人が集まった。彼らがその瓦造技術を生かし、素焼き人形を作り始めたのが、松屋町が「人形の町」と呼ばれる由来とされる。
松屋町筋とは、松屋町を北は中之島から南は天王寺まで走る、南行き一方通行道路のことだ。特に松屋町駅周辺の松屋町筋商店街には人形のほか、玩具や駄菓子などさまざまな商品の問屋や専門店が並び、卸はもちろん小売りにも対応している。
3月のひな祭りや5月の端午の節句の時期には日本人形が並べられ、にぎわいを見せる。夏は花火やヨーヨーなど子どもが喜ぶアイテムで埋め尽くされ、地元の人たちや、夏祭りの準備をする関西各地からの自治会関係者でごった返す。近年では、海外から人形などを求める観光客の姿もちらほら見られるという。
ちなみに、世界的なゲームソフト会社であるカプコンの本社も松屋町筋商店街を越えた松屋町筋沿いにある。