「スパイスカレー」という言葉がよく聞かれるようになる前から独創的なカレーを創り出し、カレーシーンに衝撃を走らせた「Columbia8」は、大阪スパイスカレーブームの火付け役の一店。4年連続でミシュランガイドに掲載された名実ともに「レジェンド」だ。
初めての来店者が選べるのは、キーマ、野菜、ミックスの3種類。デビューにはColumbia8のベーシックな味である「キーマカレー」を強く勧めたい。
皿いっぱいに広がるサラサラのカレー、中央にライス、頂上にはシシトウが乗った美しいビジュアルのカレー。Columbia8のカレーを味わうために欠かせないのが、セットで付くグレープフルーツジュースだ。
まずは店が提唱する「右手にスプーン、左手にシシトウ」の通り、苦みのあるシシトウを一口かじり、舌先のスパイス感度を高める。シシトウとカレーを交互に食べ進めていき、辛みを感じたらグレープフルーツジュースを一口飲もう。
ジュースには舌の味覚をリセットする酸味の役割があり、何回でも1口目のおいしさにタイムスリップできるのだ。「あえてややこしい食べ方をしてもらうことで味に没頭できるように」と店主のオギミ〜ル☆は、五味を全て分散したレイアウトに仕立て上げている。
30種類以上ものスパイスで構成された複雑で奥深い香りは、一度食べただけでは理解不可能だろう。食べ終わってから「あの味はなんだったのか……」と、思い出して考えているうちに、また食べたくなってしまい足を運んでしまうのだ。