いい意味で予想を裏切ることができ、それでいて味が確かな店。そうした、人に自慢したくなる要素を備えているのが「一芳亭 船場店」だ。ここでは本来なら「小麦粉メイド」のとある料理を異なる食材で見事に作り上げている。
それが名物の「シューマイ」(5個350円、以下全て税込み)だ。特殊なのは、その「黄色い」皮。物が不足していた戦後は小麦粉も例外ではなく、代わりに薄く焼いた「薄焼卵」で具材を包んだのが「唯一無二」の始まりだった。そこから現在まで「やっていることは、何も変わっていません」と船場店の店長は語る。
ホワホワと優しく、それでいて素材の甘みがギュッと詰まったこのシューマイは、これまでどれほど多くの口に幸せを与えてきたのだろう。ビール(大瓶600円)などの酒とともに楽しむのもいいが、おすすめは全てのメニューにシューマイが付いてくる定食。白飯とのコラボレーションも、これまた「口福」である。
「シューマイ定食」(850円)を筆頭に、「酢豚定食」(1,100円)や「春巻定食」(950円)など充実のラインアップ。ちなみに昼も夜も長蛇の列になる超人気店のため、来店の際は事前予約をすすめる。
18時30分の入店分までは予約が可能で、それ以降は訪問の10分前に電話して、空いていれば席を確保してくれる(難波店は予約不可)。