大阪市内有数のビジネス街の外れにある東横堀川。周辺には近年、個性的な店が集まるようになった。まだそれほど店がなかった頃からあるのが、この書店。しかし中に入ると、茶やカレーを楽しむ人の姿を見て、一瞬頭に「?」が浮かぶかもしれない。じつは1階はカフェで、書店は表からは見えない、奥の階段を降りた地下にあるのだ。
秘密基地のような空間に所狭しと並べられているのは、文学にマンガ、エッセイに雑誌とあらゆるジャンルの本。元々は店名の通り古本をメインとしたお店だったが、近年は新刊の取り扱いに力を入れている。
「フリーマーケットやリサイクルショップが好き。ある人にとってのごみが、ある人にとっては宝になる。価値が一変するのがおもしろい」と語る店主。店内にはCDやTシャツ、服飾雑貨や文具なども置かれていて、宝探しをしているような気分になる。
2021年12月には、隣に絵本専門店「子どもの本屋ぽてと」をオープンした。保育園や幼稚園で読まれているような定番ものから、児童書まで幅広く取り扱う。鋭いセンスで選ばれた絵本自体もさることながら、絵本の歴史や作家同士の影響がわかる本棚作りも興味深い。