KATAMARI
「タカ イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」で、写真家・宮原夢画の個展「KATAMARI」が開催。人間の肉体をテーマとした2つの異なる構成による作品、計20点を展示する。
真言密教の「金剛界曼荼羅(まんだら)」と「胎蔵界曼荼羅」の概念である「内なる宇宙から外なる世界へ、また外なる世界から内なる宇宙」に着想を得た宮原。写真というメディウムで人間の肉体を再解釈し、細部から広大な世界、そしてその逆の視点へと鑑賞者を誘う。
最初のシリーズでは、荒廃した環境に人間の肉体を配することで、通常はその環境に存在し得ない肉体が、周囲の環境と共存する姿を描く。シュールリアリスティックな表現を避け、肉体と環境の対話的な関係性を通じて、被写体としての肉体に新しい意味を与えている。
2つ目のシリーズでは、アーヴィング・ペン(Irving Penn)、ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)など、モノクロームのヌード表現における巨匠たちへの敬意を払いつつ、カラーライティングによる新しい表現を追求。宮原が得意とするフィルターを駆使した手法により、肉体の輪郭が曖昧になり、単なる身体ではなく、その内側から発せられるエネルギーや生命力を捉えている。
ぜひ足を運んでほしい。
※12〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料