パブリックキャット 第18回

コーヒーショップの看板猫:キューピー(9か月)町屋にて

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テキスト、写真:ねこへん

都電荒川線が走る東京の下町、町屋。生活感溢れる街並みの中にある、一際ピンクでレトロな店構えのコーヒーショップ、パリジャンカフェに、遭遇率100%の新人看板猫がいるとの情報を得て、さっそく訪ねることにした。

外観の印象に反して広々としたつくりの店内では、話に花を咲かせる常連客の声が響く傍らで、じっくりと新聞を読みふける人がいるなど、各々がその気ままな空間に身を置いている。そしてこのゆるいムードに拍車をかけているのが、まだ1歳に満たないルーキー、キューちゃんことキューピーである。

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半纏をまとうとはさすが下町の猫。さぞかし愛情を込めた手製の半纏なのかと思い女性オーナーに尋ねると、「あ、これ隣の店で買ったんだよ」とあっけらかんと笑う。常連客の紹介で、縁あってこの店にやって来たキューピーの名前は、引き取ったその当日に、大量のマヨネーズの納品があったことからキューピーと名付けたそうだ。いろいろと大雑把なところに、オーナーとこの店に非常に好感が持てる。

温かそうな半纏である
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前足の裏側にある黒点がチャームポイントか

パリジャンカフェにやって来たばかり頃の小さなキューピー

 
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若い猫の特性も相まってとにかく好奇心旺盛なキューピーだが、初対面の記者が構える黒々しいカメラには戸惑いがあったのか、当初は素っ気ない振る舞いを見せていた。店の人々にも協力をもらいながら撮影交渉を重ねたところ、次第にその気になってくれたようで、数々の愛らしい表情をここに収めることができた。カウンターの上にのさばっていたかと思えば、ちんまりと客のそばに佇み、気が付けばベッドで就寝。看板猫の良さを存分に見せてくれる新人の誕生である。

名前:キューピー(♂)
勤務先:パリジャンカフェ
看板猫になるまでの経緯:常連客の紹介により譲渡された、埼玉県蕨市の路上で生まれた元保護猫。

—1日のスケジュール—
8:00 開店
20:30 閉店
※ベッドで就寝していることもあるので、その際は起こしてはならない

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