東京のエスニック食材店ガイド

新大久保駅近くの路地には、雑居ビル内に小さなモスクがあったり、ケバブのショップがあったりとリトルイスラムとも呼べる一角がある。すらりとした長身と髭が目立つナスルが営むグリーンナスコはパキスタンとインドのスパイスを中心に、イスラムの戒律にのっとった方法でさばかれるハラルミートの取り扱い品目が豊富。鶏肉と羊肉は輸入品だが、牛肉は北海道帯広産のものを扱う。

池袋北口近くのビル内にある台湾食材専門店。2階では台湾醤油や白腐乳、紅腐乳などの調味料、白キクラゲや陳皮などの乾物、乾麺が揃い、3階では金針菜や、マコモダケ、黄ニラといった台湾料理に欠かせない野菜類、鶏のモミジ（脚）や豚足、内蔵類、花巻や水餃子などの冷凍点心などを豊富に扱う。また、中国茶や大麻花、サチマといった台湾ならではの菓子も取り扱う。

池袋駅北口すぐ近く、雑居ビル4階に入っている中国食材専門スーパー。広いワンフロアの店内には、青果、鮮魚、精肉（冷凍）、冷凍食品、調味料、酒、乾物、菓子などが廉価で揃う。値札はすべて中国語表記、お客はほとんど中国人で、まるで中国のスーパーマーケットで買い物しているかのような気分が味わえる。店で自家製している豚足や豚耳の醤油煮込みなどの惣菜も販売していておすすめ。

アメ横センタービル地下食品街は、ありとあらゆるスパイスや食材の香りが混ざり合う特有の空気感が味わえる場所。その中でも古株の「むら珍食材」では、豆板醤や甜麺醤、四川唐辛子などの中国調味料や中国酒、豆腐干や干し海老などの中国食材をはじめ、タイやインドネシアの調味料やスパイスなど約2,000種以上の商品を取り扱っている。

日本で最初にタイ食材を輸入したタイオリエント商事が経営する、タイ食材専門店。パクチーファランやサトー豆といったタイ料理に欠かせないハーブや野菜、調味料などが豊富に揃う。店内にはイートインスペースも併設されており、近隣に住むタイ人が店のママと四方山話に花を咲かせながらクエッティオセンレックなどの麺をすすっており、まるでバンコクの食堂にいるかのように錯覚するはず。

職安通り沿いにある、タイ人経営によるタイ食材専門店。プリッキーヌー（タイ特有のトウガラシ）やレモングラス、バナナの葉やバイトゥーイ（特有の芳香がある葉）などの野菜、調味料、タイのお菓子、雑誌、クロック（タイ特有のすり鉢）やトムヤムクン用の素焼き鍋、タイのシャンプーや石けんといった日用品から雑誌まで、タイに関するあれこれが揃う店。

新大久保駅から歩いて2分ほど、マンションの2階にあるミャンマー食材の店。ミャンマーではお茶請けとして欠かすことのできないラペッソー（発行させた茶葉を油と塩で炒めたもの）や、ラペッソーと合わせて楽しむミックスナッツ（揚げたナッツ、豆、ニンニクなどが入る）、ミャンマー産の巻きたばこなどを扱う。

小伝馬町の裏通りにある小さなイラン食材専門店。常に笑顔を絶やさない「ハサンおじちゃん」が営む店で、ローズジャム、ローズウォーターをはじめ、ドライレモンやイチジク、デーツなどのドライフルーツ各種、花によって香りが全く異なるイラン産ハチミツ、ナッツなどが豊富に揃う。濃く淹れたチャイをふるまい、ペルシャ式の飲み方なども教えてくれる。日本とイランを愛する心やさしい店主との会話も楽しい店。