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ローカルレジェンド#10 ガングロギャル

テキスト:
Mayumi Koyama
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タイムアウト東京マガジンにて連載中のローカルレジェンド。この連載では、デコラティブな帽子を被ったアウトサイダーアーティスト「帽子おじさん」や、銭湯のペンキ絵師「田中みずき」など東京の街にいるレジェンドたちを紹介している。

今回は、渋谷の絶滅危惧種ガングロギャルが接客してくれるカフェバー「ガングロカフェ」に潜入し、店長のぽみたん、スタッフのえりもっこり、あゆゆんの3人に話を聞いた。ガングロギャルは、真っ黒な日焼け姿と派手なメイクが特徴で90年代半ばに渋谷、池袋界隈で幅を利かせていた。しかし最近では、その流行も廃れてきており、街で見かけることはまれになっている。

あゆゆん

3人それぞれに、なぜこのスタイルを続けているのかと尋ねたところ「何を可愛いと思うかは、人それぞれじゃないですか。私たちの場合はギャルのスタイルだっただけです」と、現在25歳のぽみたんがきっぱりと言い切った。23歳のえりもっこりは「誰でも、自分自身の人生を楽しむ権利を持っていると思います。だからうちらは自分たちのやりたいことをやってるんです」と、他人にどう思われるか、どう見られたいかは気にせず、自分の信念を貫き通す態度こそが、真の「ギャル」である重要な要素であることを教えてくれた。

反抗的なガングロ精神が日本の礼儀作法と衝突した時期もあった。25歳のあゆゆんは、そうした過去を認めつつも、「今のギャルと過去のギャルの考え方は違う」と思っており、年長者に話しかける際に敬語を使うなど、社会の常識にあえて反発するつもりは全くないという。

ある日、あゆゆんが列車内で年輩の人に席を譲った際には、周囲から拍手が沸き起こったそうだ。「マジウケません?私は普通のことをしただけなのに、周りの人を感動させたらしいんです。でもいまだにギャルに対しての悪い印象があるのであれば、私たちはそれを逆手に取って、こうゆう日常的な場面から少しずつ良い印象に変えて行きたいと思います」。

保守的な国の少数派になることは難しいが、彼女たちは、ガングロギャル集団「ブラック・ダイヤモンド」として国際博覧会に出席し、日本の文化を海外に普及させようとしている。「和食のように、私たちはギャル文化だって輸出します!」

ガングロカフェの公式サイトはこちら

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