[title]
Spincoaster Music Bar
値段:¥¥¥
音量:★★★
照度:★★★
出会い:★★★
ポイント: ハイレゾ音源&アナログレコード、ハイエンドオーディオ、リクエスト有り
この一杯:〆張鶴
定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。
第7回は、キュレーターたちによる音楽情報発信で注目を集めるメディア『Spincoaster(スピンコースター)』が2015年3月31日にオープンしたバー、Spincoaster Music Barだ。
同店の最大の特徴はなんといっても、ハイレゾとアナログレコード、2種類の音源を選ぶことができる点だ。ハイレゾとレコード、それぞれの特性にマッチしたサウンドシステムも用意されており、「何をどう聴くか」を積極的に選べる豊かな音楽体験は、現代ならではだろう。
店は新宿から代々木の間のオフィス街の一角にある。比較的落ち着いた雰囲気のこのエリアを拠点に選んだ理由は、新宿から徒歩圏内であることが外国人観光客にとって重要であること、そして駅周辺にリハーサルスタジオやレコード店があるにもかかわらず、音楽好きのためのコミュニティスポットが存在しなかった代々木という場所に目を付けたためだ。
オープンして半年以上が経ち、ランチタイムはコワーキングスペース、夜間は音楽好きたちのたまり場、という当初のコンセプト通りの利用が浸透してきたと同時に、同店へ向けられる意外な需要も分かってきたという。同店の仕掛人であり、株式会社Spincoaster代表取締役の林潤いわく、「高音質な空間を活用した貸し切りイベントが増えてきた」という。
「自分は、青春時代に親しんだ音源がMDの世代で、結構劣悪な環境で音楽を楽しんでいたんです。だから、聴き慣れた曲を初めてハイレゾで聴いたときは、音のクリアさと臨場感に驚きました。レコードも同様で、レコード独特の音の温もりの虜になりました。ブレスや楽器の音がクリアかつ高密度に聴こえるハイレゾは、歌ものやアコースティックを使った楽曲に。音が太く暖かいレコードはロックやディスコなどのバンドものに適していると思います。楽曲に応じてベストな環境を用意できる場所を作ろうと、このようなスタイルになっています。」
「ハイレゾ音源やアナログレコードは、再生環境が身近にない人がほとんどです。住宅環境の都合で、大きい音をスピーカーで聴くことができない人も多いと思います。高音質かつ大音量で音楽が聴ける、ということで、同じアーティストが好きな人が集まったオフ会や、レコード会社主催の新曲試聴会などのイベントが増えました」。
ハイレゾ用のスピーカーは、気鋭の国産オーディオメーカーKOON製『400NT 3ウェイパッシブスピーカー』
アナログレコード用のスピーカーは高級スピーカー『musikelectronic geithain』
プレーヤーは『Thorens td309』。ミキサーを通すと音質が悪くなるという理由から、ミキサーは使用していない
エントランスの重厚な防音扉。店内の壁も防音処理がされているため、爆音イベントが可能
店内のBGMの選曲は『Spincoaster』専属のキュレーターたちが務めており、特定の時代やジャンルに特化することなく、幅広い音楽が横断的にプレイされる。早耳なキュレーターたちのセレクションにはエッジのきいた新しい音楽も多く、トレンドの情報収集の場にもなる。
リクエストも可能で、入り口にあるカプセルトイ(1回100円)でチケットを購入するシステムとなっている。ハイレゾ音源をリクエストする際は、タブレット端末を利用して、カラオケのデンモクのように楽曲を選ぶことができる。
そんな、最先端のカルチャー発信地として注目を浴びるSpincoaster Music Barのプレイリストは、キュレーター目線で2015年を総括した選曲。「2015年ベスト邦楽」、「2015年ベスト洋楽」、「2015年ベスト国内新人」、「2015年ベスト海外新人」、「お店でよく流れる」の5つに分けられた必見の内容となっている。
1月20日更新のプレイリスト第4弾は「2015年ベスト海外新人」。BlossomsやMadeon、Kero Kero BonitoからPetite Mellerまで、メジャーからインディーまでを分け隔てなく網羅した10曲だ。
※プレイリストリンク 先:KKBOX
【スマートフォン】KKBOX有料会員の方は「アプリを開く」
【PC】30秒試聴でお楽しみいただけます。
1月13日更新分のプレイリストは「2015年ベスト国内新人」。HomecomingsやSuchmos、never young beach、D.A.N.といった東京のライブハウスを賑わせているバンドから、話題の高校生ラッパーぼくのりりっくのぼうよみや、Tomggg、banvoxといった気鋭トラックメーカーまで、今年更なる飛躍が見込まれるアーティストたちを紹介している。
12月11日更新分のプレイリストは「2015年ベスト洋楽」。大豊作だった今年の音楽シーンを総括する名曲がずらり。メジャーからクラブヒットまで幅広く網羅されている。
12月11日更新分のプレイリストは「2015年ベスト邦楽」。Shiggy Jr.、Sugar's Campaign、Yogee New Waves、ceroといった要注目の新人アーティストから、YUKI、Chara、RHYMESTER、和田アキ子といったJポップのベテラン勢が今年リリースした良作も漏らさず網羅。聴き逃していた曲があれば、絶対にチェックだ。
◆音楽情報メディアSpincoaster
『心が震える音楽との出逢いを。』
選曲キュレーターが独自に厳選した良質な楽曲をお届けする音楽情報メディア。http://spincoaster.com/
◆Spincoaster Music Bar
ハイレゾ音源とアナログレコードが楽しめるミュージックバー。http://bar.spincoaster.com/
[店舗概要]
〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-26-2 桑野ビル1-C
TEL:03-6300-9211
[営業時間]
営業日:月〜土曜日
カフェ:14時~19時
BAR:19時〜LATE
定休日:日曜日(祝前日の場合は連休最終日)
◆林 潤(ハヤシ ジュン)
Twitter:https://twitter.com/_rinjun_
’86.10 東京生まれ。(島根、岡山を経て再上京。)
’06.6 株式会社ウィルゲートにインターン入社。SEOを中心にWEB制作、マーケティングを学ぶ。
’09.4 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)に入社。社内インフラ周り、アーティストのマーケティングやプロモーションを経験した後、企画部に配属。数々のプロジェクトに携わる。
’14.7 SME退社後、株式会社Spincoasterを設立。
’15.3 ハイレゾ音源とアナログレコードが楽しめるミュージックバーSpincoaster Music Barをオープン。