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週1のヴィーガン料理は神宮前で。ジャンクフードもヘルシーに楽しむ

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Satomi Saruwatari
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原宿や表参道の喧騒からは距離を置き、DIALOG IN THE DARKワタリウム美術館といった施設が点在する外苑西通り沿いには、いつも落ち着いた空気が流れている。ORGANIC TABLE BY LAPAZもその一角にある。レンガ造りの建物の中2階に入居し、道路に面した大きな窓からはほどよく太陽光が差し込む。年季の入ったカウチや洒落たインテリアなど、ついつい長居したくなる雰囲気の店だが、そのこだわりは内装だけではない。同店はこれまで、ニューヨークで行列必至の人気店MatchaBarのポップアップショップや、マクロビオティック料理の提供など、食に関する様々な試みを行ってきた。そして2017年2月1日、人々の食への意識を高めるべく、ヴィーガンカフェとして再スタートを切った。ここでは大きく舵を切ったORGANIC TABLE BY LAPAZの新メニューをレポートしよう。

まずは看板メニューである『アボガド&ソイフィレカツ』と『TOHUチーズ&テンペ』のバーガー。『アボガド&ソイフィレカツ』は、玄米や玄米もち米でできたバンズに、大豆でできた肉である「ソイミート」のカツを挟んだものだ。初めて食べるソイミートは、舌触り、味、噛み応え、何から何まで「肉」だった。たとえるなら、ターキーのような裂けるタイプの肉を想像してほしい。そして、アボカドとたっぷりのスプラウトがバーガーをよりリッチに仕上げる。付けあわせには『大豆ナゲット』と、ポテトフライならぬ『ベジフライ』があり、どちらも冷めてもサクっとした食感を味わえる。ナゲットにつけるのは、丸一日煮込んだ自家製ケチャップと、マスタード。ねっとりとしながら、酸っぱさとピリっとした辛さが合わさったマスタードはぜひ試してほしい。

『TOHUチーズ&テンペ』は、豆腐チーズとテンペを雑穀のバンズで挟んだもの。食材をひとつずつ説明すると、まず豆腐チーズは、豆腐を味噌に漬け、味を染み込ませたもの。豆腐の水分はすっかり抜け、リコッタチーズとクリームチーズの間、といったところだろうか。名前にチーズと入っているが、玄米もち米や黒米、はと麦でできたバンズと一緒に食べれば、漬物と白米のような相性の良さだった。一方テンペは粘りのない大粒の納豆のような食感で、そもそもテンペとは大豆をテンペ菌で発酵させたインドネシア発祥の食べ物だから当たり前なのだが、まったく臭みもなく豆腐チーズとぴったりだった。バンズは周りを少し焼いてあるのでおこげのような食感だ。バーガーひとつでこれほどいろんな食感を楽しめるのも、このバーガーを勧めたいポイントのひとつだ。

週1のヴィーガン料理は神宮前で。ジャンクフードもヘルシーに楽しむ

どちらのバーガーにもトマトやキュウリなどの野菜が入っており、トマトについては夏野菜にも関わらず甘みがあり驚いた。同店の野菜はすべて有機、無農薬のものを使用しており、契約業者が厳選した野菜を使用しているのだそうだ。入り口正面のショーケースには、立派な生姜やパプリカなど、その日届いた新鮮な野菜が入っているので、気になる人はチェックしてみては。ランチタイムなどの忙しい時間帯でなければ、スタッフが食材や調理法のこだわりなどを熱心に説明してくれるだろう。

寒天に近い弾力のゼリーにフォークを刺した瞬間がたまらない(1カット700円)

デザートに出てきた『ヴィーガンレアチーズケーキ』は衝撃の美味しさだった。まさに理想のチーズケーキとはこのこと。筆者の語彙力をつっこむより、以下の説明でその味を想像してほしい。寒天と葛のゼリー(動物のコラーゲンからできたゼラチンは使用できないため)と、薄力粉でできた土台に、チーズケーキの生地が挟まれた、3層構造いたってシンプルなケーキだ。ヴィーガン向けなのでもちろんクリームチーズや生クリームは一切使用しておらず、豆乳チーズとナッツクリーム、そしてレモンだけでできている。にもかかわらず、濃厚なクリームの味と、レモンの爽やかな香りと酸味が口の中にどこまでも広がる。ようやく出会った理想のチーズケーキがクリームチーズ不使用とは誰が想像しよう。焙煎から行う、Lapazオリジナルのオーガニックコーヒーとあわせて、心ゆくまで味わいたい。

バーガーにナゲット、おまけに濃厚なチーズケーキ。もしこれらをバーガーチェーンで食べれば満足感以上の罪悪感を抱えて店を後にすることとなるだろう。しかしLapazで提供されるメニューには、牛乳や肉、卵といった動物性のものは一切入っていない。満足感と幸福感だけが残る、最高ではないか。そもそもヴィーガンとは、肉や魚をはじめ、卵、乳製品も食べない「完全菜食主義者」を指す言葉だ。動物愛護や人口、環境問題の追い風を受け、多くの著名人やモデルなどにも支持されている。しかし、ORGANIC TABLE BY LAPAZは決して菜食主義者のための店というわけではない。週に1度でも食生活を見直し、体を休ませたい時に行く店でありたいと考えているそうだ。2017年2月7日(火)からはUber Eatsのサービスもスタートしており、バーガーだけでなく、すべてのメニューが注文可能だ。体調や食生活を見直したいと思ったら、LAPAZでの食事を選択肢に追加してはいかがだろう。

ORGANIC TABLE BY LAPAZの詳しい情報はこちら

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