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2013年11月 タイムアウト東京創刊号より
女子高生の制服を着た、髭を生やしたおじさんが、店の前をすり足で通り過ぎて行くのを目の当たりにしたら、店員は「昼食中のため、不在」のサインに手を伸ばしてしまうだろう。
「Grow Hair」こと小林秀章は51歳のアルバイト写真家、常勤のソフトウェアエンジニア。そして、セーラー服を着ていることで有名な一流の街のセレブだ。セーラー服を着るようになったきっかけは、30歳以上で女子高生の格好で来店すればラーメンが無料で食べられる、という話を友人から聞いたこと。小林はその後、初めてあご鬚を三つ編みにして、スカートを身につけた。
「そんなふうにして、私はこんな格好をするようになってしまいました」と小林は『Vice Japan』のインタビューで語っている。「どんな格好をしていようが誰も気にしていないと思っていました。私は躊躇しませんでした」とも。それは2011年のことで、今や新宿の光景の一部に同化している。
「誰も騒がないし、警察官を呼ぶ者もいません。都会の人々は、見て見ぬふりをするのが本当に上手なんです」と小林。東京で、1人の女子が注目を得ようとするためには、一体何をすればいいのだろうか。
『Vice Japan』によるセーラ服おじさんの動画はこちら