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アメリカを代表するデザート、アップルパイは、日本人にとっての味噌汁のように「おふくろの味」を連想させる食べ物として、アメリカでは多くの国民に愛されているようだ。パン屋やケーキ屋、カフェのデザートメニューなど、日本でもアップルパイを味わうことはたやすく、そこまで大きくフィーチャーされないものの、日本人のなかにもアップルパイを愛する者は多い。そして2016年3月4日(金)、そんなアップルパイファンを歓喜させるであろうアップルパイ専門店、RINGOが池袋駅にオープン。
店に一歩足を踏み入れると、ここがアップルパイの専門店なのだということを再認識させるように、まず目に飛び込んでくるのはずらりと並んだアップルパイたち。もちろん、アップルパイ好きには夢のような空間なのだが、これまでに見たことのないくらい大量のアップルパイが並べられているため、まず誰もがこの光景に圧倒されることだろう。しかし、これだけの量でありながらも、いずれも作り置きはされておらず、常に焼きたてを購入できるのが嬉しい。この提供方法ができるのは、店内にファクトリーを設けている同店ならではだ。
店内で常にパイを焼き続け、焼きたてを提供する同店だが、こだわりは「焼きたて」という部分だけではない。「焼き方」にこそ同店のこだわりが詰まっているのだ。通常、カスタードクリームを入れるアップルパイの場合、甘く煮たリンゴとクリームをパイ生地に包んで一緒に焼き上げることが多いが、同店では2回に分けてパイを焼く。まずは、リンゴのみを入れて30分、その後、カスタードクリームを入れてさらに5分と、2回に分けて焼き上げることによって、パイの中にたっぷりのカスタードクリームを入れることに成功したのだ。
たっぷりのカスタードクリームが入っているが、クリームだけが主張することもなく、甘過ぎず、ゴロッとしたリンゴの食感もしっかりと楽しめる上品な甘さのアップルパイだ。
また、パイが焼き上がる様子を身近で見られるのも同店の魅力の一つ。タイミングが良ければオーブンからパイを取り出す様子を見たり、その際に店中が湯気に包まれる、なんていう普段の店ではなかなか体験できない場面に居合わせることもできる。
そもそも、札幌の人気洋菓子店きのとやで、30年間改良を重ねながら愛され続けてきたアップルパイをもとに開発されたという同アップルパイ。東京進出の前には、きのとや 白石本店と大丸札幌店でテスト販売をし、10000個を完売させた実力の持ち主なのだ。イートインスペースは設けられていないため、店内で味わうことはできない。しかし、駅近なことや、焼きたてをさっと購入できるため、今後、手土産として利用する人も増えそうだ。
アップルパイが大好きだ、という人でなくとも不思議と時々無性に食べたくなるアップルパイ。同店は、本格アップルパイを手軽に味わえる店として、このような時々現れるアップルパイ欲を満たしてくれる心強い店にもなりそうだ。都内だけでも様々なアップルパイが提供されているが、ぜひこの機会に札幌発のアップルパイも味わってみてほしい。なお、アップルパイの購入は、1人4個までとなっているので、訪ねる際は注意してほしい。