フルーツパフェやアイスキャンディなど、旬のフルーツの楽しみ方は色々あるが、バーのカウンターに座って味わうのもまた一つの方法だ。季節ごとの旬の果物を使用して作られるフレッシュフルーツカクテルは、その期間にしか味わうことのできない特別なカクテル。旬のカクテルを逃してしまわぬよう、足繁くバーに通う人も少なくないのではないだろうか。ここでは、著書として『麗しきバーテンダーたち』を6月1日(月)にamazon限定で出版した、バー評論家の「たまさぶろ」が、フレッシュフルーツカクテルを楽しめる10のバーを厳選して紹介。ちょっと勇気を出して挑戦してみてほしい上級者向けのバーから、初心者でも存分に楽しめるバーまで、それぞれに個性を持ったバーを紹介しているので、旬の味を堪能するべく、ぜひ足を運んでほしい。
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Text by たまさぶろ
BARには興味があるけど、銀座のバーに入る勇気なんてない」。そんな女性にぴったりなのがこの一軒。OL経験のある女性店長が繰り出す優しさのこもった季節のフルーツカクテルに癒されること必至。またカウンター幅が小さいため、呑みたいカクテルについて親密に相談できる利点も。女性と女性だからこそ安心できるお酒の会話に花を咲かせてみてはいかがか。
訪れる人に幸運をもたらすバー。「ティアレ・タヒチ」は幸運の花とされ、オーナーがサマセット・モーム作『月と6ペンス』の一文から店名を引いた。フレッシュフルーツのカクテルは当然ながら、桜のリキュールをベースにした日本一受賞カクテル『スプリングヒル』をぜひ一度は味わいたい。
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世界一に輝いたカクテル『クラウディア』はラムベースにパインの酸味が効いた珠玉の一杯。しかし、それだけが毎夜カクテルの華を咲かせるこの店の醍醐味ではない。どのフルーツをオーダーしても唸るしかない。そして、それぞれのフルーツカクテルに、瞬く間にデコレーションを施す、その所作にもまた魂が宿っている。
店名は「最初に感じる香り」を示す。ウイスキーなどの香りを楽しむ様を表しているので、モルトバーと捉えられがちだが、その実力はフレッシュフルーツのカクテルにもいかんなく発揮される。超ベテランから女性バーテンダー、若手まで揃っているせいか、カクテルとともに添えられる会話もまた粋。
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お江戸、日本橋に位置するまさに隠れ家的な一軒。フルーツからイメージするよりも、むしろ『探偵はBARにいる』のようなハードボイルドの雰囲気を持つが、トークの楽しいマスターから繰り出されるバリエーション豊かなカクテル群は、初心者もエンスーも存分に楽しめる。
「優しく、親切に、柔らかく、そっと……」そんな言葉がぴったりな温かいホスピタリティ満点の大森の名店。フレッシュフルーツのカクテルも、冷たく、キリッと、かちっと……ではなく、たおやかな香り漂うフィニッシュが心地よい余韻をもたらす。桜の季節は窓際がVIP席並の絶景のため、争奪戦必至。
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「会員制」と掲げたサインが示す通り、ちょっと上級者向け。しかし、ちょっと勇気を出してその扉を開ければ、まさに銀座のBARらしい快適な空間が広がる。創業は1985年。「会員制」とあるが厳密にはそうではない。しかし、それに見合うだけ、姿勢を正してドアを押したい品格ある一軒である。心地の良い隠れ家で、リラックスして、旬のフルーツカクテルを楽しもう。
店名にはMixology & Elixirと冠する。「ミクソロジー」は、ドリンクを作るスキル、アートと定義される。また「エリクシール」は錬金術のこと。両方を標榜するだけに、新宿の喧噪を忘れてしまう一角にて、マスターが繰り出す妖しく、美しいフレッシュフルーツのカクテルに、今宵も昇天する客が後を絶たない。
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店を訪れると「あれ、いかめしいマスターは?」と一瞬首をかしげるが、おそらく正面に立つ愛らしい麗しきバーテンダーこそがマスター。シガーソムリエかつテキーラマエストロでもあるマスターのお勧めに、つい「うんうん」と頷き、杯を重ねてしまうこと請け合い。オーセンティックでフレッシュなカクテルが楽しめる。西池袋の新しい音色を持ち込む一軒だ。
「まだ下手クソなんです」と謙遜するものの、プロのダーツプレーヤーでもあるマスターの懲り様が発揮された、珍しく両国にあるオーセンティックバー。毎日Facebookにアップされるチャームを眺めるだけで「今日も行かねば」と思わせるが、旬のフレッシュフルーツカクテルを逃してしまわないよう、頻繁に足を運びたくなる魔力にも惹きつけられる。
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