1980年代、ダンボールを用いた話題作で世に登場した日比野は、瞬く間に若者世代を中心とした熱狂的な支持を受け、商業施設や飲食店の内装、テレビ番組の美術や衣装制作など、多岐にわたる作品を手がけてきた。近年では、芸術祭などで多くの参加者とともに作品を作り上げる過程を楽しむプロジェクト型の作品を多く発表している。バブル期のただなかにあって、卓越した個性でおびただしい数の作品を生み出していた精力的かつ挑戦的な活動を思うと、いったいどのような心境の変化があったのかと考えずにはいられないだろう。
2020年に開催される『東京オリンピック・パラリンピック』。東京都は、2020年に向けて東京の魅力を高めるための文化事業を推進している。そのリーディングプロジェクトとして、野田秀樹が監修を務める『東京キャラバン』とともに進行しているプロジェクトが、いわゆる「障害者」など多種多様な人がアートを通じてつながる可能性に焦点を当てた『TURN(ターン)』だ。監修を手がけるアーティスト、日比野克彦に話を聞いた。