2009年11月、東京の観光スポットである浅草にアミューズ ミュージアムがオープンした。コンセプトは、ノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイが広めた「MOTTAINAI(モッタイナイ)」。今や世界共通の言葉として使われている「MOTTAINAI」の考え方をもとに、「ものの価値を生かした新たな価値観」を提案することを目的としている。このコンセプトが顕著に現れているのが、その建物だ。アミューズ ミュージアムは築43年の建物をリノベーションし、自ら活用することで古い建物に新たな価値を与えている。建物内に入るとやや天井が低く感じられるが、圧迫感はなく、遊園地のアトラクションに入ったような感覚に。6階建てのビルの中には、展示スペースのほか、カフェやバーなどの飲食スペース、日本舞踊や三味線などのライブが披露されるイベント・スペース、浅草の貴重な資料映像が公開されるシアター・スペースなどがあり、さまざまな利用形態がある。
アミューズ・ミュージアムでは、興味深い展示コレクションのほかに、自慢できるものがある。それは6階にあるバーシスや屋上からの眺望だ。アミューズ・ミュージアムは浅草寺の東側に位置し、上階からは浅草寺を一望することができるのだ。夜にはライトアップされる五重塔をさかなに、グラスを傾けることも可能だ。隅田川をはさんだ対岸には、東京スカイツリーも眺められる。歴史あるものと新しいものを同時に眺められるこの眺望には、同施設が目標とする「新たな価値」を感じることができる。